データ利用方針

このサイトの数値がどう作られているか。どの手法をどんなときに使い、その手法に何ができて何ができないのか。掲載している数値を引用したい場合の扱いもここに書いています。

最終改定 2026-08-13

4点セット

すべての数値に、次の4つを必ず付けています。1つでも欠けたものは公開されません。

項目なぜ必要か
出典 元をたどれない数字は、正しいかどうかを確かめようがありません。発行者と原典のURLまで記録します。
母集団 「誰の中での上位10%か」が変われば、同じ言葉でも数字はまったく別物になります。
調査年 統計は毎年動きます。何年時点の話かが分からない数字は使えません。
算出方法 公表値をそのまま載せたのか、こちらで計算したのかを区別するためです。

出典の信頼度

出典の性質を4段階で表示しています。 これは「正しさ」の順位ではなく、「どういう性質の根拠か」の区別です。

法令・政府統計 条文そのもの、または国が実施した統計調査。定義や集計方法が公開されています。
大学・研究機関・業界団体 調査方法が公開されており、第三者が検証できるもの。
民間調査 対象や方法が公開されているものに限って使います。回答者の偏りが残る可能性があります。
推計 公表された分布からこちらで計算した値。赤は「悪い」という意味ではありません。 公表値ではないことを示しているだけです。

母集団を必ず書く理由

「年収の上位10%」と言ったとき、対象が誰かで数字は大きく変わります。

  • 1年を通じて勤務した給与所得者だけを見るのか
  • 年の途中で働き始めた人も含めるのか
  • 個人か、世帯か
  • 正社員だけか、パート・アルバイトも含むか

母集団を書かない「上位10%」は、意味を持ちません。 このサイトでは、どの範囲の人の中での位置なのかを、 値ごとに省略せず表示しています。

算出の手法

公表統計は階級(100万円ごと、など)でまとめられているため、 「上位10%の線」は階級の内側のどこかに落ちます。 その位置を求めるのに、次の手法を使い分けています。 どの手法を使ったかは、値ごとにページに表示されます。

手法 どう計算するか 使う場面
線形補間 階級の中では人が均等に分布していると仮定して、比例で位置を求めます。 階級の幅が狭く、中の偏りが結果に響かない場合。
対数線形補間 対数の目盛の上で比例配分します。階級の中で下側に人が多い形を反映できます。 年収・貯蓄のように、高い方へ大きく裾を引く分布。
パレート裾推計 上限が公表されていない最上位の階級について、裾の減り方を最上位の2階級から求め、その形を延長して位置を推定します。 「◯◯以上」としか公表されていない階級の内側を見る必要がある場合。
正規分布からの導出 定義上、正規分布を前提とする指標について、その定義から直接計算します。 偏差値のように、分布の形が定義に含まれている指標。

あわせて、各ページに元の度数分布の表を掲載しています。 同じ手法で計算し直せば、こちらの数値を検算できます。

推計の限界

推計には、それぞれ性質の違う限界があります。隠さずに書きます。

  • 補間は、階級の中の形を仮定しています。 実際の分布が仮定と違えば、その分だけずれます。 階級の幅が広いほど、ずれの余地は大きくなります。
  • パレート裾推計は、外側へ行くほど不確かになります。 最上位の階級の減り方が、その先も同じ形で続くという仮定に立っています。 上位1%より外の値ほど、幅を持って受け取ってください。
  • 正規分布の仮定は、実際の分布とは一致しません。 偏差値は定義上そう計算されるものであり、 実際の受験者の分布が正規分布であることを意味しません。

推計値は1万円単位まで正確な数字ではなく、位置のおおよその目安です。 このサイトでは推計値に印を付け、図でも実線と破線で区別しています。

算出しないと決めている場合

次の場合、「上位◯%」を算出しません。

  • 度数分布が公表されておらず、平均や合計しか無い場合
  • 母集団が定義できない場合(対象者の全体が把握できない場合)
  • 公表された階級が粗すぎて、推計の幅が結論を変えてしまう場合

こうしたテーマでは、それらしい数字を作る代わりに、 なぜ算出できないのかを本文で説明します。 算出できない理由が分かることも、ひとつの答えだと考えています。

数値の引用について

このサイトの数値やグラフを引用していただいて構いません。 その際、次の2点をお願いします。

  1. 出典として、このサイト名と該当ページのURLを明記してください。
  2. 推計値を引用する場合は、推計値であることと手法名も併記してください。 公表値として扱われると、元の統計にない数字が独り歩きします。

なお、元になっている政府統計や法令そのものの利用条件は、 各公表機関の定めに従います。各ページの出典欄からご確認ください。 統計そのものを引用したい場合は、このサイトではなく原典を出典としてください。 そのほうが正確で、確認もしやすくなります。