人口・地域

人口何人から市・中核市・政令指定都市?

「政令指定都市は人口50万人から」とよく言われますが、 条文は「政令で指定する人口50万以上の市」です。 人口が届けば自動的になるわけではありません。

  • 種類法律上の境界
  • 出典デジタル庁
  • 最終確認2026年8月

答え

地方自治法は、指定都市を「政令で指定する人口50万以上の市」、 中核市を「政令で指定する人口20万以上の市」と定めています。 市になるための要件は人口5万以上です(ほかに3つの要件があります)。

ただし、いずれも政令の指定や都道府県の処分が必要であり、 人口が届いただけで自動的に変わるものではありません。

なお、「大都市」を定義した条文はありません。 地方自治法は章の名前に「大都市等に関する特例」と使っていますが、 何人からが大都市かは、どこにも書かれていません。

定義が複数あります 目的によって基準が異なります。

境界の位置 一本の軸で見る

市の人口の境界 境界の位置を一本の軸の上に示した図。50,000人から市になるための人口、200,000人から中核市になるための人口、500,000人から指定都市(政令指定都市)になるための人口。 50,000 市になるための人口 200,000 中核市になるための人口 500,000 指定都市(政令指定都市)になるための人口
左から右へ値が大きくなります。色が変わるところが境界です。

ほかの「境界」 法律上の定義と一般的な目安は別のものです

  • 法律上の境界

    市になるための人口

    50,000 から

    地方自治法 第8条第1項第1号

    「人口五万以上を有すること」。

    ただしこれは4つある要件のうちの1つにすぎません。 人口だけでは市になれません。

  • 法律上の境界

    中核市になるための人口

    200,000 から

    地方自治法 第252条の22

    「政令で指定する人口二十万以上の市」。

    指定都市が処理できる事務のうち、 都道府県が一体的に処理する方が効率的なものを除いた事務を処理できます。

  • 法律上の境界

    指定都市(政令指定都市)になるための人口

    500,000 から

    地方自治法 第252条の19

    「政令で指定する人口五十万以上の市」。

    児童福祉・生活保護・食品衛生・土地区画整理事業など、 本来は都道府県が処理する13分野の事務を処理できるようになります。

    条文の主語は「政令で指定する」です。 人口50万を超えたら自動的に指定都市になる、という規定ではありません。

  • 法律上の境界

    市の要件(中心市街地の戸数の割合)

    60 から

    地方自治法 第8条第1項第2号

    「中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること」。

    人口が5万人いても、集落が散らばっていて中心市街地が無ければ 市の要件を満たしません。

  • 法律上の境界

    市の要件(都市的業態に従事する者の割合)

    60 から

    地方自治法 第8条第1項第3号

    「商工業その他の都市的業態に従事する者及びその者と同一世帯に属する者の数が、 全人口の六割以上であること」。

    本人だけでなく同じ世帯の人も数に入るところが特徴です。

  • 法律上の境界

    市の要件(都道府県の条例で定めるもの)

    数値の基準なし

    地方自治法 第8条第1項第4号

    「当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件」。

    4つ目の要件は都道府県ごとに違います。 全国一律の基準ではありません。

  • 法律上の境界

    町になるための要件

    数値の基準なし

    地方自治法 第8条第2項

    「当該都道府県の条例で定める町としての要件」。

    町になる要件に、全国共通の数値はありません。 条文が定めているのは「条例で定める」ということだけで、 人口の数字は都道府県ごとに決まります。

    村については、要件を定めた規定そのものがありません。

  • 法律上の境界

    人口の数え方

    数値の基準なし

    地方自治法 第254条

    「この法律における人口は、官報で公示された最近の国勢調査 又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口による」。

    住民基本台帳の人口ではありません。 同じ市について複数の「人口」が出回るのは、 どの調査に基づく数字かが違うためです。

  • 法律上の境界

    「大都市」の定義

    数値の基準なし

    地方自治法に「大都市」を定義した条文はありません。

    第二編第十二章の章の名前が「大都市等に関する特例」で、 その中身が指定都市・中核市・特別区の規定になっています。 つまり法律は「大都市等」という言葉を見出しに使いながら、 その語自体は定義していません。

  • 法律上の境界

    施行時特例市の特例

    数値の基準なし

    地方自治法 附則第3条

    かつての特例市(施行時特例市)については、 人口20万未満であっても中核市として指定することができる という経過措置が置かれていました。

    人口の線には、こうした例外が付くことがあります。

出典 定義の根拠

もう少しくわしく この数字の背景と、よくある誤解

「人口50万以上」は必要条件であって、十分条件ではありません

条文をそのまま読むと、こうなっています。

政令で指定する人口五十万以上の市(以下「指定都市」という。)

主語は「政令で指定する市」です。人口50万以上であることは、 指定の対象になりうる、という条件にすぎません。

中核市も同じで、「政令で指定する人口二十万以上の市」です。

人口が届いた市が自動的に指定都市になるわけではありません。 数字は入口であって、決定ではありません。

市になるには、人口以外に3つの要件があります

人口5万以上は4つある要件のうちの1つです。

  1. 人口5万以上
  2. 中心市街地の区域内にある戸数が、全戸数の6割以上
  3. 商工業その他の都市的業態に従事する者と同一世帯の者が、全人口の6割以上
  4. 都道府県の条例で定める都市的施設その他の要件

人口だけでは市になれません。 人が住んでいても集落が散らばっていれば2番目を満たしませんし、 農林漁業が中心なら3番目を満たしません。

そして4番目は都道府県ごとに違います。全国一律の基準ではありません。

町になる要件には、全国共通の数字がありません

市の要件は条文に数字が書かれていますが、町は違います。

町となるべき普通地方公共団体は、 当該都道府県の条例で定める町としての要件を具えていなければならない。

条文が定めているのは「条例で定める」ということだけです。 人口の数字は都道府県ごとに決まります。

村にいたっては、要件を定めた規定そのものがありません。

「大都市」に定義はありません

地方自治法は、第二編第十二章の名前を「大都市等に関する特例」としています。 つまり法律は「大都市」という言葉を見出しに使っています。

それでも、何人からが大都市かを定めた条文はありません。 章の中身は指定都市・中核市・特別区の規定です。

よく使う言葉ほど定義が無く、 制度の名前として使われている言葉には定義がある。 「大企業」や「超高層建築物」と同じ構造です。

どの「人口」を指すのかも条文に書かれています

地方自治法 第254条にこうあります。

この法律における人口は、官報で公示された最近の国勢調査 又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口による。

住民基本台帳の人口ではありません。

同じ市について「人口◯人」と書かれた数字が複数出回るのは、 どの調査に基づく数字かが違うためです。 人口の線を読むときは、数え方まで含めて1つの基準です。

読むときの注意

このページの数値は、定義そのものとして公表されているものです。 統計から算出した推計値ではありません。

定義は改定されることがあります。最終確認日をご確認のうえ、 重要な判断には出典の一次情報をあわせてご覧ください。