お金

貯蓄はいくらから多い?

貯蓄の額に、法律上の「多い」の基準はありません。 ただし二人以上の世帯の分布は公表されているので、 「その金額が上から何番目あたりか」は分かります。 平均値と中央値が大きく離れているのが、この分布の特徴です。

  • 対象二人以上の世帯のうち貯蓄のある世帯(2025年平均)
  • 調査年令和7年
  • 人数537万人
  • 最終確認2026年9月

答え

「貯蓄が多い」に法律上の定義はありません。 家計調査(二人以上の世帯)では、貯蓄のある世帯のうち 中央値(ちょうど真ん中)が 1,268万円、 5,562万円 以上が上位10%にあたります。

ただし上位10%は推計値で、公表されている第9十分位より高く出ます。 また、一人暮らしの世帯は含まれていません。

公式定義なし 法律や制度で定められた基準はありません。

統計上の境界 分布のどこに線が引かれるか

  • 中央値(上位50%)

    1,268万円

    信頼度A 推計

    100人中およそ50人

  • 上位30%

    2,422万円

    信頼度A 推計

    100人中およそ30人

  • 上位20%

    3,426万円

    信頼度A 推計

    100人中およそ20人

  • 上位10%

    5,562万円

    信頼度D 裾の推計

    約10人に1人

境界の並び 上に行くほど間隔が開きます

貯蓄の境界値の並び 境界値を段として並べた図。中央値(上位50%)は1,268万円、上位30%は2,422万円、上位20%は3,426万円、上位10%は5,562万円。上に行くほど間隔が広がります。 1,268万円 中央値(上位50%) 100人中50人 2,422万円 上位30% 100人中30人 3,426万円 上位20% 100人中20人 5,562万円 上位10% 10人に1人
上位50%から上位1%まで、境界値がどう跳ね上がるかを段で示しています。 等間隔ではないことが、この分布の性質です。

分布と境界線 面積が人数に比例します

貯蓄の分布と境界線 分布の形と境界線の位置を示した図。中央値(上位50%)は1,268万円(推計)、上位30%は2,422万円(推計)、上位20%は3,426万円(推計)、上位10%は5,562万円(推計)。 中央値(上位50%) 上位30% 上位20% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 単位: 万円
階級ごとの「幅あたりの人数」で描いています。 公表統計の階級は幅が揃っていないため、人数をそのまま高さにすると 幅の広い階級が実際より多く見えてしまうためです。 もっとも右の階級は上限が公表されていないため、図には含めていません。

属性で比べる 同じ「上位◯%」でも母集団が違えば値が変わります

対象 人数 中央値
二人以上の世帯のうち貯蓄のある世帯(2025年平均) 537万人 1,268万円 *
二人以上の世帯(貯蓄が「0」の世帯を含む・2025年平均) 560万人 1,182万円 *
勤労者世帯のうち貯蓄のある世帯(二人以上の世帯・2025年平均) 303万人 1,039万円 *

* が付いた値は階級内を補間した推計値です。 母集団が違うものを1つの表に並べていますが、 同じ人を別の切り口で数えたものであり、 合計しても全体にはなりません。

あなたはどこ? 入力した数値は送信されません

万円

計算はすべてブラウザの中だけで行われます。 入力した値がサーバーに送信されることはありません。

この数字の根拠 出典・母集団・調査年・算出方法

調査年
令和7年(2025年)
対象(母集団)
二人以上の世帯のうち貯蓄のある世帯(2025年平均)
集計単位
世帯
地域
日本
人数
5,372,277人
算出方法
対数線形補間 / 最上位階級はパレート分布による推計(α = 1.39)
最終確認
2026年9月15日

出典: 総務省統計局「家計調査(貯蓄・負債編)(令和7年分)」を加工して作成

算出方法の詳細

階級内の分布が対数的に減少すると仮定して算出しています。所得や資産のように高い側ほど人数が少なくなる分布に適した方法です。

この値は推計値です。公表されている統計では最上位の階級が「○○以上」としてまとめられており、その中の分布は公開されていません。そのため、パレート分布を仮定して推計しています(形状パラメータ α = 1.39)。上位に行くほど誤差は大きくなります。

公表されている統計は階級ごとの人数までなので、 上位◯%のちょうどの値は階級の中を補間して求めています。 階級の区切りと一致する値には「推計」を付けていません。

元になった度数分布を見る
家計調査(貯蓄・負債編)(令和7年分)二人以上の世帯のうち貯蓄のある世帯(2025年平均)
階級人数割合
100万円以下 337,150 6.28%
100〜200万円 304,152 5.66%
200〜300万円 270,863 5.04%
300〜400万円 214,217 3.99%
400〜500万円 228,693 4.26%
500〜600万円 233,981 4.36%
600〜700万円 189,835 3.53%
700〜800万円 182,138 3.39%
800〜900万円 172,821 3.22%
900〜1,000万円 142,575 2.65%
1,000〜1,200万円 323,449 6.02%
1,200〜1,400万円 241,537 4.50%
1,400〜1,600万円 238,028 4.43%
1,600〜1,800万円 170,890 3.18%
1,800〜2,000万円 175,355 3.26%
2,000〜2,500万円 390,988 7.28%
2,500〜3,000万円 288,492 5.37%
3,000〜4,000万円 417,648 7.77%
4,000万円超 849,465 15.81%
5,372,277100.00%

ほかの「境界」 法律上の定義と一般的な目安は別のものです

  • 法律上の境界

    預金保険で保護される元本の上限

    1,000万円 まで

    預金保険法 第54条第2項 / 預金保険法施行令 第6条の3

    金融機関が破綻したときに預金保険から支払われる保険金には、上限があります。 預金保険法は上限を「政令で定める金額(保険基準額)」とだけ書いており、 金額そのものは施行令が「千万円とする」と定めています。

    1つの金融機関につき、預金者1人あたり、元本がこの額までと、その利息等が対象です。 ただし法律上の「決済用預金」は、元本の全額が保険金の対象で、この上限はかかりません(第54条の2)。

    貯蓄が多いかどうかの基準ではありません。 「1つの金融機関に置いておくと、この額を超えた部分は保険の対象外になる」という線です。

  • 一般的な目安

    「老後2,000万円」

    数値の基準なし

    金融庁の金融審議会の報告書(2019年)にある数字です。 夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯で、 毎月の平均の不足額が約5万円の場合に、 20〜30年で「単純計算で1,300万円~2,000万円」になると示しました。

    同じ箇所で「あくまで平均の不足額から導きだしたもの」 「当然不足しない場合もありうる」と書かれています。

    2,000万円あれば足りる、という基準を定めたものではありません。

もう少しくわしく この数字の背景と、よくある誤解

二人以上の世帯の数字です

家計調査(貯蓄・負債編)が対象にしているのは、二人以上の世帯です。 一人暮らしの世帯は含まれていません。

一人暮らしの人が自分の貯蓄をこのページの数字と比べると、 人数の違う世帯の集まりと比べることになります。

中央値は2つあります

この統計の中央値には、貯蓄が「0」の世帯を除いたものと、含めたものがあります。

  • 公表の本値は貯蓄保有世帯の中央値です。 貯蓄現在高が「0」の世帯を除いて、少ない方から並べたときの真ん中で、1,264万円です。
  • 「0」の世帯を含めた中央値は、参考値として1,167万円と併記されています。

このページでは、両方の分布から中央値を算出して並べています。 同じ「中央値」でも、どちらを指しているかで数字が変わります。

貯蓄が「0」の世帯は、統計表では最も低い階級(100万円未満)に入っています。

平均値は、真ん中よりずっと上に出ます

貯蓄現在高の平均値は2,059万円です(「0」の世帯を含めた平均)。

平均値を下回る世帯が、約3分の2(66.1%)を占めています。

ごく一部の世帯が非常に多くの貯蓄を持っているため、平均値がそちらに引き上げられます。 平均値は「ふつうの世帯の貯蓄」を表す数字ではありません。

上位10%は推計です。公表値より高く出ます

この統計の最も上の階級は「4,000万円以上」で、上限がありません。 貯蓄のある世帯の上位10%は、この階級の内側にあたります。 そのためこのページの上位10%は、分布の裾の形を仮定して延長した推計値です。

この統計には、ちょうどこの位置にあたる第9十分位も公表されています。 貯蓄のある世帯で5,148万円です。 このページの推計は、それより高く出ます。

上位10%の目安として使うなら、公表値の5,148万円を使ってください。 このページの推計値は、階級から推計したときにどれだけずれるかを示すために並べています。

算出値と公表値のずれが許容範囲を超えていないかは、公開前の自動検査で確かめています。

上位5%・上位1%は算出していません

上位5%や上位1%は、「4,000万円以上」の階級のさらに奥にあたります。 そこには公表されている分位点がなく、推計が合っているかを確かめる手段がありません。 推計の幅が結論を左右してしまう領域なので、このページでは算出していません。

真ん中あたりの数字は、公表値とよく合っています

この統計は、貯蓄のある世帯の第1四分位・中央値・第3四分位も公表しています。 階級から推計した値と突き合わせると、ずれは小さく収まります。 中央付近の数字は、階級の区切りから推計しても信頼できる、ということです。

勤労者世帯は、別に並べています

家計調査は、二人以上の世帯のうち「勤労者世帯」を分けて集計しています。 勤労者世帯とは、世帯主が会社・官公庁・学校・工場・商店などに勤めている世帯です。 世帯主が社長・取締役・理事など会社や団体の役員である世帯は、勤労者世帯に入りません(家計調査の定義)。

年金で暮らす無職の世帯などが含まれないため、二人以上の世帯全体とは分布が変わります。 勤労者世帯の貯蓄保有世帯の中央値は、1,015万円と公表されています。

年齢別の境界線は出していません

年齢別の世帯分布も公表されていますが、貯蓄が「0」の世帯を含んだ形でしか分かれていません。 一方で、年齢別の分位点は「0」の世帯を除いて計算されています。

同じ条件で答え合わせができないため、このページでは年齢別の境界線を出していません。

この統計の「貯蓄」に含まれるもの

預貯金だけではありません。 生命保険など、株式・債券・投資信託などの有価証券も「貯蓄」に含まれます。

住宅ローンなどの負債は差し引いていません。 貯蓄と負債は、統計表で別々に集計されています。

読むときの注意

このページは分布上の位置を示すものであり、 人の価値や優劣を示すものではありません。

平均と中央値は別のものです。 収入や資産のように分布が偏っている指標では、平均は分布の真ん中を表しません。

定義は改定されることがあります。最終確認日をご確認のうえ、 重要な判断には出典の一次情報をあわせてご覧ください。